何かあったときにしか使わないものは、何もないときに一度使っておく
請求書のあるものはあなたに知らせてくれますし、期限のあるものは表に載ります。しかしこの種類にはどちらもありません。誰もあなたからお金を取らず、それがもう役に立たなくなったと通知する人もいません。ですから唯一の方法は、自分で一度使ってみることです。
共通点は「黙って使えなくなる」こと
バックアップのファイルは開けないかもしれませんし、復旧用のメールアドレスはあなたがもう使うのをやめたものかもしれませんし、緊急連絡先の番号はその人の2年前の番号かもしれません。これらはどれも、エラーメッセージを一切出しません。
当サイトには、重要書類のデジタルバックアップをどう作れば確実なのかについての別の記事があります。その記事は、バックアップのいちばんよくある失敗は「バックアップがあると思っていたのに、必要になってから壊れていると気づく」ことだと述べています。その一言は、この種類のもの全体に当てはまります。
1回に試すのは1つだけでよい
点検の日を決めて全部を済ませる必要はありません。1回に1つを選び、済ませたらそれで終わりにし、次回は別の1つにします。全部そろえることよりも、やり切れることのほうが大切です。
当サイトには、オンラインアカウントを登録するときに、ついでに復旧手段も一緒に設定し、アカウントのリストを1部残しておくことについての別の記事があります。そのリストがあるなら、ここではそれに沿って1回に1項目を選ぶだけです。
- 実際にできること
- クラウドから書類を1つ実際にダウンロードして開いてみる
- ふだんあまり使わないアカウントに、復旧手段を使って一度ログインしてみる
- 緊急連絡先の番号に一度電話をかけ、ついでになぜかけたのかを伝える
- スマートフォンの電源を切り、必要ないくつかの番号をそれでも見つけられるかを確かめる
「試す」とは、実際に最後までやり通すこと
バックアップのフォルダがまだあるのを一目見る、復旧用メールアドレスの欄が埋まっているのを確認する。これらはどれも数に入りません。証明できるのは設定がまだあることだけで、その道がまだ通じていることは証明できません。
当サイトには、自分のアカウントに入れないとき、問題はたいていパスワードではなく、復旧手段も連なって壊れていることにあることについての別の記事があります。その記事が描いているのはまさに、「設定はどれもあるように見えるのに、通れない」という状態です。
試し方の1つは、ほかの人にやってもらうこと
ある事柄をふだんあなたが担当しているなら、それがほかの人にとって通じるかどうかは、あなたには試せません。別の人にあなたの横で一度やってもらえば、つまずいた箇所が、情報が伝わっていなかった箇所です。
当サイトには、家のことを1人しか知らないのは、効率ではなく単一障害点であること、その中でまさにこのやり方を述べていることについての別の記事があります。ここではそれを、家の用事から、何かあったときにしか使わないものへと広げているだけです。
試したあとに1行書く
いつ試したか、何を試したか、結果はどうだったか、直したかどうか。この1行がないと、半年後には「試したような気がする」としか覚えていません。
当サイトには、パソコンやスマートフォンを替えるとき、移すべきなのはファイルではなく、その端末を認証に使っているものであることについての別の記事があります。端末の交換は、この種類のものがまとめて使えなくなりやすい瞬間です。ですから替え終えたら、すぐに一通り試す価値があります。
この記事の範囲
この記事で扱うのは、自分で身につけられる点検の習慣です。いかなるツール、サービス、やり方もすすめず、情報セキュリティや緊急時の対応に関する技術的な指針も一切示さず、いかなる設定が十分かどうかも判断せず、いかなる専門的な助言にもあたりません。
各機関の実際の選択肢とルールは、その正式な説明が基準です。緊急の事態では、ただちに現地の緊急サービスに連絡してください。
ポイント
この種類のものは黙って使えなくなります。バックアップは開けず、復旧用のメールアドレスはとうに使うのをやめていて、緊急連絡先の番号は2年前のもので、しかもどれもエラーメッセージは出ません。1回に試すのは1つだけでよく、全部そろえることよりもやり切れることのほうが大切です。「試す」とは実際に最後までやり通すことで、設定がまだあるのを一目見るのは数に入りません。試し方の1つは、ほかの人にやってもらうことで、つまずいた箇所が、情報が伝わっていなかった箇所です。試したあとに1行書きます。そうしないと、半年後には「試したような気がする」としか覚えていません。端末を替えたあとが、すぐに一通り試す価値がいちばん高いときです。